クズ勤務医の日常

俺は人間としてはクズだが、医者としてはクズではない。そんなよしけんの日々の徒然。

医師と接待

昨夜は個人的な付き合いで製薬会社社員さんと寿司を食べに行きました。

ゴチにもなっていませんし、薬の話もしてません。

2年位前から、医師への接待が禁止(業界自主規制)のルールになりました。

なので、個人的な付き合いでも業界的にはNGな可能性が高いようで、繁華街ではない住宅地にある庶民的なお寿司屋さんの個室でひっそり食べました。

仮にゴチになったりセールスを受けても、処方が増えるような性質の薬はその方の会社は扱っていないんですがね。

 

個人的には、タダ飯大好きなのでゴチ文化がなくなってしまうのは悲しいです(厳密には完全に無くなってはいないのだけど)。

なので、ちょっとゴチ文化の擁護を。

まず、接待はどこの業界でもありますよね。

医者って小金はもってるけど時間がなかったり異動も多いから、その町のおいしいお店とか繁華街を知るためのとっかかりとして夜の街に精通したMRさんとの飲み会は、タダ飯以上の意味があったりします。

そして、定期的に(食事会の曜日が決まっていて各メーカーさんが持ち回りで担当)やっている場合、奢られたからその会社の薬を使う、という思考回路には医者はなっていません。食事や酒の席でしか話せない人、話題もあります。耳学問ってやつは、科学的ではないかもしれないけど、どこの業界でも無視できないものだと思ってます。

さびれた地方都市では医者へのゴチでもっていた料亭もあったようです。タクシー業界にも多少の影響はあったことでしょう・・。

そしてMRさん。無能だとか不要だとかいう医者もいます。まあストレスフルな仕事だと思いますよ。病院の廊下で何時間も出待ちして、大学卒業したての初期研修医に20歳も年上のMRさんが敬語でヘコヘコ・・、そんな彼らが経費で美味しいご飯を食べ酒を飲める機会だったのに・・

まったく擁護になってないけど、最後にこれだけは言いたい。結局、接待は無くなっていない。医療費は税金から投入されているのだから接待はダメというなら、完全になくさないといけない。今、一番ダーティでホットな癒着は、後発品(ジェネリック)メーカーと門前薬局の癒着です。

 

病院で医者が処方箋を出す(雀の涙ほどの保険点数)→会計→門前薬局で薬を受け取る・・

ここですごいことが発生している!(面倒なので気になる人は自分で調べてね)

色々な課金が行われた末に、安さという魅力に抗えずジェネリックにする。薬局には後発品にするだけで保険点数発生、より安い薬にすれば差額で利益増大・・(治療効果はそっちのけ)。

後発品メーカーと門前薬局は、今、ズブズブです。年収1千万そこらで24時間365日拘束されている医者という奴隷を、薬局経営者は薬を数えて袋に詰めるだけの9時5時週休2日で(かなり脚色。経営者はもう袋詰めもしないだろう。)ベンツ乗り回して接待受けながら笑っていますよ。

医薬分離が進んでかなりなりますが、患者さんにはメリットなんて皆無だからな。わざわざ2回会計してめんどくさすぎでしょ。高くつくし。なんでこうなったって、医師会は官僚の天下り受け入れてないけど、薬剤師会は天下り受け入れーの、議員献金送りーのしてるからだからね。

そもそも、医者は自分と自分の家族にはジェネリックなんて使いたいと思ってないからね。自分の身体は自分で守るものです。

 

なんか脱線したけど、専門外のちょっとしたことって意外とMRさんからのプロモーションも馬鹿にできない面もあるので(もちろん鵜呑みにはしないで後で調べるけど)、もっと話せる場が欲しいですね。

 

最後に、このような業界の変貌で、MRさんに求められる資質が激変したと感じている。かつて成績の良かったMRさんというのはおそらく、ほどよく調子の良い男性で夜の街(食事処からニーズによってはピンクのお店まで)に精通していて、酒の席でのトークが上手な人であったと思う。正直、薬の知識に関しては二の次だった。今、MRさんに求められているのは、もう夜の繁華街やピンクのお店に行く必要はないので男性である必要はなく、食事などで長時間を共にすることもないので人間力は必要なく、ずばり初対面での印象が良く短時間のプレゼン能力と知識がある人です。ぶっちゃけると、若いカワイイ子で知識があるのが最強です(女医さんにはイケメンMR)。各社、増えましたよ、女性のMRさん。会社によっては見た目採用・見た目担当みたいなのもありそうだもんな。

 

ちなみに、昨夜のお相手は女性ではありませんのであしからず。